2015年05月31日 (日) | Edit |
むかしむかーし、江戸の末ごろから経典としてお寺に置かれて大事に扱われてきた本がありました。
時代を経て平成の代になった頃にそのお役目を解かれます。本来なら、供養されて処分されてしまう事も多いのでしょう。
しかしたまたまその場に出会った研究者の人がある事を考え付きます。

「昔の紙なら、質のいい日本の材料でできているに違いない。これはぜひ再生してみたい」

ということで、研究者はその経典を引き取り、水にさらし、細かくちぎってある人の下に届けました。それが、近江雁皮紙の匠だったのです。雁皮(がんぴ)紙は古文書などの修復にも使われ、永久保存に耐えられるくらい強靭と言われている紙です。その職人さんのもと、経典だった紙は素朴な色合いの美しい和紙へと生まれ変わったのです。

20150531kami.jpg

できた紙は2~30枚と聞いた記憶があります。この世にぜったい売ってない紙です。
研究者は、できればこの紙を生かせることのできる人に使ってほしいと、県内外で活躍されてた書家や画家などに寄贈されました。
幸せなことに、その研究者のおばちゃんとはとっても仲良しだった私にも何枚か分けていただいたんです。
まだまだ作家になりたての頃だったので、嬉しかったけど、気軽に使えないこの紙・・・プレッシャーも大きかったなぁ(^_^;)

それがもう十数年前の話です。
その後、その紙はしばらく寝かせて、10年ほど前に初めて作った曼陀羅に使いました。
いや、切るのにとっても緊張したのを思い出します。
あの曼陀羅は、私の作家生活においてもとってもターニングポイントになる作品で、今でも思い入れがとてもあります。

それから10年・・・
久々にその紙を使ってみることにしました。作家生活20周年記念の個展で、やっぱり今の自分を注ぎ込むような作品を作ってみたいと思ったからです。

紙を墨でそめあげ、下絵を描いて、5月に入ってから少しずつ準備はしてきましたが、イベントなどが続き間に合うのか自分でもハラハラしました(^_^;)
こんなに大きい作品はほんとうに久しぶりに作ります。10年前より時間も体力もありません(笑)

しかし、今日やっと完成しました~♪
いや~、苦労しました。

20150531mandara.jpg

20周年にちなんで、20の仏様が一同に会したオリジナルの曼陀羅です。東西南北や火や水を司る仏様など風水も考えて自分なりに配置してみました。中央は大日如来。
詳しい説明とともに猫町個展で展示しますので、ぜひこの廿猫曼陀羅に会いに来てください。

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可